
今回お伺いしたお客様

CMSの導入効果
少人数運用をさらに楽にする機能への要望
CMS導入前に比べると、業務効率化の面において十分に役立っていると実感しています。これまでは、Webサイト上の数字をたった一つ変更するだけでも、その都度外部へ改修を依頼し、修正費用を支払う必要がありましたが、CMS導入後からはこうした細かな更新を社内で完結できるようになり、時間とコストの双方において大幅な効率化に繋がっています。
その一方で、日々の確認作業においてはまだ改善の余地を感じています。現状では、PDFに赤字を入れて社内で修正指示を出したり、テスト環境にアップしたものを確認したりと、複数回の手間が発生しており、本番環境とプレビュー環境の差分が視覚的にわかりやすくハイライトされる機能や、プレビュー画面のURLを簡単に共有できる機能があれば、確認作業が大幅に楽になると考えています。
本投資法人のWebサイトでは現在、CMSの導入が進んでいないページもありますが、運用のしやすさを踏まえ、今後はCMSの導入範囲をさらに拡充していく方向で検討していきたいと考えています。
スポンサー企業へのESG担当配属が、大きな転換点に
本投資法人は5年ほど前、ESG特設サイトを新たに増設いたしました。大きな転換点となったのは、国内スポンサー企業にESGの専任担当者が配属されたことです。これが特設サイト開設の直接のきっかけとなりました。
グローバルにもESG担当者がいるのですが、基本的にはそのグローバルチームと連携している国内スポンサー企業の専任担当者から、我々へと情報が降りてくるコミュニケーション体制が整いました。そこから「しっかりとESGスコアを高めていこう」という強いモチベーションが社内で生まれ、特設サイトのプロジェクトが本格的に動き出しました。
コストと柔軟性を両立するWebサイト運用術
CMSではなく「静的ページ」を選んだコストと柔軟性のロジック
ESG特設サイトは立ち上げ以降、現在に至るまで、CMSを導入しておらず全て静的ページとなっています。その理由は、「ESGのトレンドの移り変わりの早さ」に対応するための柔軟性を最優先したことにあります。ESGのトレンドは変化が非常に激しいため、まずは枠組みを固定せずに柔軟にページを更新できる体制で臨む方が、変化の激しい状況に適していると考えました。更新頻度も半年に1回程度であったことから、まずはスモールスタートとして静的ページでの運用から着手し、状況に合わせて柔軟にアップデートしていく形を選択しています。年2回の更新であれば、年間のランニングコストを50万円程度に抑えられ、CMSを導入するよりも高い費用対効果が得られると判断しました。
CMSに関しては、メインのWebサイトで使用しており、運用方法などの知見は十分に得られているため、ESG特設サイトにおいても必要に応じてCMS導入のステップへ進めたいと考えています。
開示における工夫点
「価値」を伝えるESG特設サイト動線で、投資家様からの「情報不足」の指摘をゼロに
ESG情報の開示において難しかったのは、BCP(事業継続計画)や施設価値といった「投資家様向けの専門情報」と「ESGスコアアップのための情報」のバランスです。
実は制作当時、「J-REITの投資家様にとって本当に必要な情報」と「ESGスコアアップに直結する開示内容」とのギャップに非常に苦労しました。「ESGコンテンツのうち、一体どこに重点を置くべきなのか」「投資家様は我々のWebサイトに何を見に来るのか」をチームで突き詰めて考えました。
その結果、やはり投資家様が「不動産としての価値」をしっかり感じられる情報こそが最重要だという結論に至りました。プロの投資家様に響く見せ方やレイアウトについて徹底的に議論を重ね、投資家様の投資判断に重要な情報をハイライトする等の工夫を凝らしました。立ち上げ当初は情報不足を投資家様から指摘されることも度々ありましたが、都度改良を重ねていった結果、現在では投資家様から情報不足を指摘されることはほぼなくなりました。
また、投資家様にとって重要である「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」などの大事な情報へ迷わずたどり着けるよう、ページ上部にリンクを配置するなど、アクセス性(導線)を向上させる工夫も行っています。
この特設サイトを公開して以降、投資家様が事前にWebサイトで情報収集を済ませてから我々との対話に臨むケースが増えており、Webサイトが事前のリサーチに活用されることで、投資家様側のデューデリジェンス(資産査定)や意思決定プロセスの短縮にも大きく寄与していると実感しています。

投資家ファーストで考えるAIとの距離感
Webサイトでは近年、チャットボット等のAIの活用がよく見られており、我々もAIは積極的に活用していきたいと考えています。将来的には、投資家様からの質問に対してチャットボットが自動的に回答する、といったIRの場面でのAI活用も広がっていくかもしれません。
我々のWebサイトは、全ての投資家様に情報をフェアに、正確に開示するということを第一の目的として運用していますので、情報の正確性をしっかり担保しつつ最適なAIの活用方法を検討し、投資家様の情報収集の利便性の向上に貢献することを目指していきたいです。
今後の展望
デザインの統合と、個人投資家向けコンテンツのあり方
今後の明確な課題としては、「全体のデザインに統一感を持たせること」です。特設サイトを後から拡張していった経緯もあり、現状では外観やデザインルールが完全に揃いきっていない部分が出てきています。2028年には上場15周年を迎えるため、その節目に向けて、これらを一つの洗練された形へと統合していきたいと考えています。
また、個人投資家様にフォーカスしたコンテンツをどこまで拡充すべきかについて、現在検討を重ねています。現在は機関投資家様向けの専門的な開示がメインですが、個人投資家様にも理解しやすい見せ方や、SNSを活用したアプローチの有効性等について、他社様の先進的な事例も参考にしながら、自社にとって最適なあり方をじっくりと見極めていきたいと思っています。
インタビュイー
財務企画部 IR/PRチーム ディレクター
財務企画部 IR/PRチーム マネージャー
おわりに
日本プロロジスリート投資法人様
このたびは貴重なお話をありがとうございました。
ESG情報の開示は「作って終わり」ではなく、更新サイクルに合わせて改善し続ける運用設計が成果を左右します。日本プロロジスリート投資法人様のように、静的ページの柔軟性を活かしつつ、CMS導入で日々の更新負荷を下げるアプローチは、IRサイト運用の有効な選択肢の一つです。
弊社では、IR/ESGコンテンツの情報設計から制作・運用改善まで一貫して支援しています。
サイト運用や更新体制に課題を感じている方は、お気軽にご相談ください。
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